UACJが間接部門に生成AIを展開——経理・人事・設備で平均50%の工数削減を実現
導入企業概要
株式会社UACJは東京都港区に本社を置き、グローバルに事業を展開するアルミニウム総合メーカーです。KPMGコンサルティング株式会社が支援パートナーとして、同社の間接部門(経理部門・人事部門・設備部門)における生成AI活用プロジェクトを担当しました。
導入の背景と課題
UACJは長期経営ビジョン「UACJ VISION 2030」のもと、第4次中期経営計画で「事業の強靭化」を重点方針に掲げています。製造現場の自動化・無人化と並行して、間接部門の業務効率化が組織全体の課題でした。個別最適の対応では限界があったため、生成AIを軸にした全社共通の取り組みとしてプロジェクトを立ち上げました。
導入したAI / プロセス
KPMGコンサルティングはタスクフォースチームを組成し、生成AIの活用を段階的に推進しました。まず「小さく始め(クイックウィン)」で着実に成果を出しながら、社員の意識醸成と活用の定着を並行して進めるアプローチです。具体的には生成AIの活用ユースケース作成・プロンプト作成・社員への浸透という流れで、経理・人事・設備の各部門の課題解決に取り組みました。
「対象業務において平均約50%の工数削減を実現し、一部では70~80%の時間短縮が可能であることが判明しました。」
── KPMGコンサルティング株式会社(出典:プレスリリース 2026年6月29日)
成果(数字)
- 対象業務の工数削減:平均約50%削減
- 一部業務の時間短縮:70〜80%の短縮が可能
- 対象部門:経理部門(月次決算・仕訳処理等の定型業務)、人事部門(評価集計・規程照会等の反復業務)、設備部門(点検記録・報告書作成等の文書業務)
中小企業が活かせるポイント
UACJはグローバル展開する大手メーカーですが、今回の生成AI導入対象は経理・人事・設備という「どの会社にもある間接部門」です。月次決算の仕訳処理、人事評価の集計、設備点検の報告書作成といった業務は、10人規模の会社でも100人規模の会社でも日常的に発生しています。
この事例で注目すべきは、3部門を同時に対象にしつつも、各部門で最も手間がかかる定型業務を1つ選んでクイックウィンにする設計です。経理なら月次処理、人事なら評価集計、設備なら点検報告書——いずれも「毎月・毎回やるけれど、考える作業というより手を動かす作業」が中心です。こうした業務に生成AIを入れることで、短期間で効果が見えやすく、社員の納得感も得やすくなります。
中小企業で実践する場合も同じ考え方が使えます。まず「自社で最も時間を取られている定型業務は何か」を1つ特定し、その業務で生成AIのプロンプトを1本作るところから始める。1業務で成果が出れば、社内の理解と協力が得やすくなり、次の部門・次の業務へと展開しやすくなります。
出典: KPMGコンサルティング株式会社「KPMGコンサルティング、UACJが取り組む生成AI活用を中心とした間接部門の業務効率化・高度化を支援」(2026年6月29日)
