東北電力がAI-FAQで入電量20%削減 Helpfeel導入でカスタマーセンターの自己解決率を大幅改善
導入企業概要
東北電力株式会社(本店:宮城県仙台市、代表取締役社長 社長執行役員:石山 一弘)は、低圧の電力契約において600万口以上の顧客基盤を持つ電力会社。電力小売全面自由化から10年が経過し、顧客体験の向上が競争力の核となっている。
導入の背景と課題
電力市場の競争激化にともない、カスタマーセンターへの問い合わせ対応品質がブランド力に直結する時代となった。とりわけ引越しが集中する3月には電気の契約申込に関する問い合わせが急増し、入電が集中する時間帯には電話がつながりにくくなる状況が発生していた。
従来のFAQは検索機能が不十分で、顧客が必要な情報にたどり着けないまま電話に流れる構造が続いていた。従来型FAQはキーワードが完全に一致しなければ目的のページが見つからない仕組みのため、「でんきりょうきん 変更」「契約 どーすれば」のような表現のゆらぎに対応できず、顧客が自己解決できないまま入電してしまう課題があった。自己解決できる仕組みの整備が、問い合わせ量の抑制とサービス品質の改善の両立に向けた優先課題となっていた。
導入したAI / プロセス
2025年3月、自己解決AI「Helpfeel」(株式会社Helpfeel、創業:2007年12月21日)の提供を開始した。Helpfeelは2026年4月時点で900サイト以上に導入されており、多様な検索表現の揺らぎがあってもユーザーの意図を予測して最適な回答を提示する「意図予測検索」技術を搭載している。
従来のFAQがキーワードの完全一致を前提とするのに対し、Helpfeelの意図予測検索はキーワードが断片的・あいまいでも、ユーザーの意図を自動解析して適切なFAQを即時表示する。顧客が「でんき料金 変更」「解約 どうすれば」といった断片的なキーワードを入力しても、意図を自動解析して適切なFAQを即時表示する。24時間いつでも自己解決できる導線を整備することで、カスタマーセンターへの電話問い合わせを構造的に抑制する仕組みを構築した。
「カスタマーセンターは、企業の姿勢がお客さまに伝わる極めて重要な接点です。」
── 東北電力株式会社(出典:プレスリリース 2026年7月7日)
成果(数字)
- 入電量:前年と比較して約20%削減
- FAQページ閲覧数:導入から10か月で月間16万PV定着(旧FAQ比で10倍以上に増加)
- オーガニック流入:従来の32倍に拡大
中小企業はどう応用できるか
東北電力の事例から見えてくる因果構造はシンプルだ。「意図予測検索でFAQ精度が上がる → 顧客の自己解決率が上がる → 入電量が減る」。この構造は、業種・規模を問わず再現できる。ECサイト・BtoCサービス・士業・クリニックなど、電話問い合わせが月に一定数発生している事業者であれば同じアプローチが使える。
中小企業が今すぐ始められる入口は、「よく聞かれる質問トップ10」を洗い出すことだ。次に、その質問がどんな言い方でされるかを3パターンずつ書き出す。「解約したい」「やめたい」「止めるには」のように、同じ意図でも表現が違う。Helpfeelのような意図予測検索型SaaSは、こうした表現のゆらぎをカバーするために設計されている。問い合わせが月100件以上ある事業者から効果が出やすい傾向があり、まず自社の問い合わせ内容を整理するところから始めてみてほしい。
出典: 東北電力株式会社「東北電力、Helpfeel導入でカスタマーセンター入電量を約20%削減 AIによるカスタマーセンター自動化に向け、ナレッジ構築を推進」(2026年7月7日)
