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企業事例

レゾナックが現場発AIエージェントを全社展開 月間約9万時間・約4.7億円相当の業務削減

この記事の監修者 株式会社デジタルゴリラ

レゾナック・ホールディングスとは — 化学メーカーが挑む全社AI活用

レゾナック・ホールディングスは、東京都港区に本社を置く、昭和電工を前身とし2023年に発足した東証プライム上場の総合化学メーカーだ。半導体材料や電子材料、石油化学製品など幅広い分野で事業を展開している。

導入の背景と課題

同社には約2,405名のAI活用対象者が在籍しており、製造・研究・管理など現場ごとに業務プロセスが大きく異なる。トップダウンで一律にツールを展開しようとすれば、現場の実情と合わないまま普及が止まるリスクがある。この課題を踏まえ、同社は2025年10月から生成AIの導入を開始。「生成AIの利用促進にとどまらず、AIエージェントを活用した業務変革を全社的に推進する」という方針のもと、現場が自らAIエージェントを生み出す、トップダウンとボトムアップを融合させた独自モデルを構築することを目指した。

導入したAI・プロセス — 3段階モデルで現場から全社へ

同社が構築したのは、3段階で全社展開を進めるモデルだ。まず本社が生成AI基盤を提供し、次に各現場がAIエージェントを自発的に創出する。そして効果が確認されたAIエージェントを標準化し、全社へ横展開する。適用領域は会議調整、文章・資料作成、コミュニケーション、学習・分析と多岐にわたる。特徴的なのは、本社が「基盤(箱)」だけを用意し、中身(エージェントの設計と運用)は現場に委ねた点だ。

成果(数字)

  • 生成AIの活用率:95%(対象者2,405名のアンケート結果および業務実績をもとに算出)
  • 月当たりの業務削減:約9万時間・約4.7億円相当
  • 危険予知活動の処理時間:約60分の1に短縮
  • 化学品法規制分野の教材作成:約5分の1の時間で完了

中小企業(5〜50名)が学べること — 3段階モデルの読み替え方

「大企業の話だから自社には関係ない」と感じた方もいるかもしれない。しかし、レゾナックのモデルの核心は「本社が全部決めるのではなく、現場が自分で工夫する」という仕組みにある。この発想は、組織の規模に関係なく応用できる。

5〜50名規模の中小企業であれば、次のように読み替えられる。

レゾナックの3段階 中小企業向けの読み替え
本社が生成AI基盤を提供 社長(または管理者)がツールを1本選んで全員に使わせる
現場がAIエージェントを自発的に創出 得意な担当者が自分の業務に合わせて使い方を工夫する
効果確認後に全社へ横展開 うまくいった使い方を他のメンバーにも共有・マニュアル化する

重要なのは「現場に工夫の余地を持たせる」という部分だ。管理者がすべての使い方を細かく指定しようとすると、現場は「言われたことをこなすだけ」になりやすい。自分の業務に合わせた使い方を自分で探す体験が、活用の定着につながる。


出典: レゾナック・ホールディングス「現場発のAIエージェントを標準化・全社展開する独自モデルを構築」(2026年7月15日)

株式会社デジタルゴリラ