不動産会社がLINE公式アカウントを導入すべき5つの理由と運用のコツ
不動産会社の皆さま、顧客とのコミュニケーションに課題を感じていませんか?
LINE公式アカウントなら、メッセージ配信やチャット機能を使って、効果的な情報提供やフォローアップが可能です。
この記事では物件情報の提供や内見スケジュールの調整、オンライン内見の実施など、様々なシーンで活用できるLINE公式アカウントの機能と導入方法を詳しく解説。
ユーザーの声を元にした、顧客満足度を維持するコミュニケーションの方法や、運用に関する注意点も具体的に説明しています。
不動産業界でのLINE公式アカウント活用事例も交えながら、業務効率化のためのヒントをお伝えします。
LINE公式アカウントとは
LINE公式アカウントは、店舗や企業専用のLINEアカウントのことを指しています。このアカウントを利用すると、友だちになっているユーザーに対して一斉に情報を配信したり、1対1でチャットをしたりすることができます。
LINE公式アカウントの開設数は、すでに300万件を超えています。
アカウントと友だちになったユーザーのうち、約半数がクーポンの利用やキャンペーンへの応募など、何らかのアクションを起こしているそうです。※2019年1月時点(LINE公式アカウントHPより)
電子メールの場合、迷惑メールとして弾かれてしまったり、受信トレイの中に埋もれてしまったりすることがよくあります。しかし、LINE公式アカウントなら、ブロックされていない限り、必ず友だちのLINEアプリにメッセージを届けられます。
また、クーポンやアンケートなど、LINE公式アカウント独自の機能も利用可能です。販促活動や配信効果の分析にも役立つため、使い勝手が良いと言えるでしょう。
LINE公式アカウントについて、より詳しく知りたい方は、ぜひ公式サイトをご覧ください。
出典:LINE公式アカウント
LINE公式アカウントを活用する、企業側のメリット
不動産業界においてLINE公式アカウントを導入することには、さまざまなメリットがあります。
- 顧客にとっても日常に浸透しているツールであり、メールと比較して、メッセージが当日中に開封される確率が高い
- 写真や動画を用いて、情報をわかりやすく伝えることができる
- メッセージの配信先をターゲティングできるため、情報を必要としている顧客に対象を絞って配信でき、顧客満足度向上に繋がる
- 簡単な質問なら、自動応答機能で対応が可能
- タグやメモといった機能で、顧客情報をスムーズに管理できる
- マーケティング効果の分析が行える
メールや電話にはない機能やその手軽さによって、顧客とのコミュニケーションを円滑に進めることができるでしょう。
LINE公式アカウントを活用する、顧客側のメリット
企業がLINE公式アカウントを導入していることで、顧客の利便性も向上します。
- 利用開始の手続きがシンプル
- 問い合わせフォームへの送信と異なり、氏名や電子メールアドレスなどの個人情報の入力が不要のため、スムーズに問い合わせができる
- 不動産会社の営業時間外でも、簡単な内容ならすぐに回答が得られる
- 新着物件などの最新情報を入手できる
LINE公式アカウントは、友だち追加ボタンをタップするだけで利用を開始できます。
アンケートに回答したり、キーワードを入力したり、リッチメニュー(トーク画面の下部に常に表示されるメニュー)のボタンから該当する項目を選んだりするだけで、いつでも簡単に問い合わせが可能です。
顧客に取っては、問い合わせにかかる手間を大幅に減らせることが大きなメリットとなるでしょう。
不動産会社が公式LINEを導入する際の2つの注意点
メリットもたくさんある公式LINEですが、導入してマーケティングに活用する際は以下のことに注意しましょう。
配信する内容や頻度を精査する
前述の通り、LINE利用者の6割が1社以上の企業LINE公式アカウントを友だち追加しています。
その一方で、約6割のユーザーがアカウントをブロックした経験があるそうです。
同調査では、ブロックの理由として「メッセージの配信頻度が高すぎる」「不要な情報ばかり届く」といった回答が約6割を占めました。
また、同社が実施した企業のマーケティング担当者向けのアンケート調査では、LINE公式アカウントの運用に課題を感じていると回答した割合が約9割に上りました。
このことから、顧客にとって有益な情報を提供することが重要と言えるでしょう。
配信頻度の調整や、「すべての友だちへ配信したい情報」「新着物件を求めている顧客に配信する情報」など、内容ごとに配信先を調整していくことも大切です。
個別メッセージでは、顧客との適切なコミュニケーションを意識する
不動産会社での公式LINE利用をめぐってインターネットやSNSを中心に体験談を調査してみると、不動産会社の担当者との個別メッセージに不安を感じるユーザーの声がありました。
- 質問への内容が返ってこなかった。無視されていると感じる
- やり取りをしているが、深夜に返信が来ることが多く困惑している
- LINEで免許証などの個人情報を送ることに不安がある
- 絵文字や顔文字を多用され、馴れ馴れしく感じる
顧客の一人ひとりが異なる価値観を持っているため、100%「正解の対応」というものはないかもしれませんが、すぐに返信ができない時はいつ頃回答できるかを一言伝えておく、常識的な時間に連絡をする、ビジネスライクなメッセージを送るなどの配慮は大切です。
また、LINEが身近なツールであるが故に、個人情報を送信することに不安を覚える声もありました。
必要に応じて、利用目的や個人情報の取り扱いについて一言添える工夫をしましょう。
対面で顧客と接するように、一人ひとりと適切なコミュニケーションをとることで、顧客満足度を高めることができるでしょう。
公式LINEを導入する際に理解しておくべき6つの機能
LINE公式アカウントの開設を検討する際、事前に知っておきたい6つの機能について解説します。
メッセージ配信
メッセージ配信では、友だちになっている顧客に対してメッセージを送ることができます。一度に送信できるメッセージは最大3通(吹き出し3つまで)です。
配信可能なメディアは以下の通りです。
- テキスト
- 画像
- 動画
- スタンプ
- 音声
また、テキストと画像を組み合わせたリッチメッセージや、複数の画像をカルーセル表示させるカードタイプメッセージなどの配信形式も利用可能です。
配信方法には以下のようなものがあります。
- 全ての友だちに配信
- 絞り込み配信(オーディエンス、過去の配信、属性)
- A/Bテストメッセージ
メッセージ配信には、以下のメリットがあります。
- メールよりも開封率が高くなる傾向にある
- 即時性が高い
- 反応率が高い
チャット機能
チャットでは、LINEのトーク画面のように顧客一人ひとりと個別にやり取りができます。ただし、チャットを利用するためには、まず顧客からチャットメッセージを送ってもらう必要があります。
また、顧客側からグループに招待された場合は、グループトークに参加することも可能です。グループトークは顧客とのやり取りだけでなく、社内の情報共有手段としても活用できます。
さらに、チャットでは以下のような機能も用意されています。
- 定型文の作成
- LINEコール
- 応答時間の設定
- ステータスバー(トークルーム上部に表示され、対応方法などを伝えられる)
- ユーザーとメッセージのピン留め、要対応の設定
また、チャットには、以下のメリットがあります。
- いつでも連絡を受けられる
- 問い合わせや予約などの履歴を確認できる
- 画像などを用いて、効果的に情報を伝えられる
- 無料で利用可能
リッチメニュー
リッチメニューとは、トーク画面の下部に常時表示されるメニューのことを指します。リッチメニューを活用すれば、顧客を外部の物件検索ページなどのサイトへ誘導することが可能です。
また、LINE公式アカウント内で提供している機能、例えばキーワードによる物件検索などの使用方法をトーク画面内に表示させることもできます。
各メニューに設定可能なアクションは以下の5種類です。
- リンク
- クーポン
- テキスト
- ショップカード
- 設定しない(画像として設定したメニューに使用)
また、リッチメニューには、以下のメリットがあります。
- 顧客が情報を見つけやすくなる
- 顧客の注意を引きやすい
- 外部サイトへの誘導が可能
- フリープランでも利用可能
カードタイプメッセージ
画像と説明文を組み合わせた「カードタイプメッセージ」の送信も可能です。**画像があることで、テキストのみのメッセージよりもユーザーの目に留まりやすくなります。
LINE VOOM投稿
LINE VOOMは、ショート動画や写真などを投稿できるサービスです。社内調査によると、2019年8月の訪問ユーザー数(MAU)は6,800万人以上だそうです。
LINE VOOMでは、X(旧Twitter)やInstagramのように投稿に「いいね」や「コメント」を付けたり、相手をフォローしたり、トークルームやVOOM内で投稿をシェアしたりできます。
また、友だち以外のユーザーも投稿を見られるのが特徴です。
LINE VOOM投稿には以下のメリットがあります。
- 投稿が拡散される可能性がある
- 新規顧客の獲得が期待できる
- 無料で利用できる
- 投稿の削除が可能
- コメントからコミュニケーションが取れる
出典:LINE VOOMを利用する|LINEみんなの使い方ガイド
LINEコール
LINEコールを使えば、顧客からの音声通話やビデオ通話を受けられます。ただし、企業側から顧客へ電話をかけることはできないので注意が必要です。
LINEコールを利用するには、事前にLINE公式アカウントの設定を変更しなければなりません。
設定変更が完了したら、プロフィール画面に通話ボタンを配置したり、相手に通話用のリンクを送信したりすることで、顧客がLINEコールを利用可能な状態にセットアップできます。
LINEコールには以下のメリットがあります。
- 通話料が発生しない
- 顧客とのコミュニケーションがLINE公式アカウント上で完結する
- ビデオ通話を活用したオンライン内見が可能
- LINE公式アカウントの管理画面で着信履歴を確認できる
- 発信用のQRコードを発行できる
レポート機能
レポート機能では、友だち追加数やブロック数などを数値で確認できます。
レポート機能のメリットは、効果検証や業務改善などに役立てられることです。様々な数値を確認できますが、どれを見ればいいか迷ったら、まずは以下の数値を参照しましょう。
- 友だち追加数
- ターゲットリーチ
- ブロック数
- 属性
- 友だち追加経路
- メッセージの開封数(開封率の算出に利用可能)
- メッセージのクリック率
公式LINEを導入するまでの流れ
LINE公式アカウント導入までの流れについて説明します。
アカウントの開設
まず初めに、LINE公式アカウントを開設する必要があります。開設にはスマートフォンかパソコンが必要です。
準備が整ったら、LINE for Businessのトップページにアクセスし、指示に従ってアカウントを開設しましょう。
なお、開設には個人のLINEアカウントまたはメールアドレスが必要となります。
パソコン(PC)でアカウントを作成する場合
スマートフォンでアカウントを作成する場合
アカウントの設定
アカウントの開設が完了したら、続けてアカウントの設定を行います。利用開始前に設定しておくべき項目は以下の3つです。
まずはアカウント自体の設定を行います。管理画面右上にある「設定」をクリックします。
①アカウント名を変更できます。1度変更した場合、7日間は変更できません。
②ステータスメッセージはアカウント名の下に表示されます。
③プロフィール画像は必ず設定しましょう。
④LINE公式アカウントを「認証済みアカウント」にするための申請が可能です。申請は無料で行うことができます。
⑤店舗の位置を知らせたい場合、記載することをおすすめします。
⑥ユーザーが公式アカウントをグループに招待することを許可する場合、「許可する」を選んでください。グループに招待される機会がない場合、「許可しない」のままで大丈夫です。
⑦プレミアムIDを購入することができます。プレミアムIDとはIDを「@+指定文字列」にすることができるサービスです。利用料金は1,200円(税別/年)です。
⑧料金プランの変更ができます。デフォルトは無料のコミュニケーションプランです。必要に応じて変更してください。
全ての設定が完了したら、「プロフィールのプレビューを確認」で確認します。
あいさつメッセージ
管理画面の「ホーム」に戻り、サイドメニューの「あいさつメッセージ」をクリックします。
初期設定のメッセージが設定されているので、必要に応じて変更しましょう。
アカウントの運用
アカウントの開設と設定が完了したら、いよいよ顧客に友だち追加してもらいます。そのためには、まず開設したアカウントの存在を知ってもらう必要があります。
管理画面から作成できる友だち追加用のQRコードやURLなどを用意しましょう。以下のような方法で周知できます。
- 来店した顧客に直接伝える
- 公式サイトに掲載する
- メールやSNSで告知する
顧客に友だち追加してもらえたら、運用を開始します。例えば、以下のようなサービスの提供が考えられるでしょう。
- 問い合わせへの回答
- 物件情報の提供
- 内見などのスケジュール調整
- 注意点などの伝達
- オンライン内見の実施
- 物件契約時の説明など、各種手続きの実施
- 各種連絡やフォローアップ
公式LINEアカウントの料金プラン
LINE公式アカウントには3つの料金プランが用意されています。
コミュニケーションプラン | ライトプラン | スタンダードプラン | |
---|---|---|---|
月額固定費
(税別) |
0円 | 5,000円 | 15,000円 |
無料メッセージ通数(月) | 200通 | 5,000通 | 30,000通 |
追加メッセージ料金(税別) | 不可 | 不可 | ~3円/通 |
まとめ
LINE公式アカウントは、企業と顧客をつなぐコミュニケーションツールです。
メッセージ配信、チャット機能、リッチメニューなどの多様な機能を通じて、顧客との関係構築や情報提供を効率的に行えます。導入のメリットには高い開封率、即時性、顧客満足度の向上などがあります。
ただし、配信内容や頻度の精査、適切なコミュニケーションの維持など、運用面での注意も必要です。
アカウント開設から設定、運用開始までの流れは比較的簡単で、無料プランから始められるため、多くの企業にとって導入しやすいツールと言えるでしょう。
効果的に活用することで、顧客とのコミュニケーションを円滑にし、ビジネスの成長につなげることができます。