TikTokビジネスアカウントとは?4つのメリットと成功事例3選
TikTokは若者を中心に急速に普及している動画共有プラットフォームです。
特徴は「おすすめ」機能。フォロワー数に関係なく多くの人にリーチできる可能性を秘めています。
この特性を活かし、多くの企業がマーケティングツールとしてTikTokを活用し始めています。本記事では、TikTokビジネスアカウントの特徴や設定方法、そのメリットとデメリット、さらには成功事例を紹介します。
動画マーケティングに興味がある方、TikTokを使ってビジネスを成長させたい方は必見です。TikTokビジネスアカウントの可能性を探り、効果的な活用法を一緒に見ていきましょう。
そもそもTikTokとは?
TikTokは、短尺の動画をシェアできるスマートフォン向けのSNSで、特に音楽やダンス、エンターテインメントに特化したコンテンツが特徴です。
2016年に中国のByteDance社によって開発され、2017年に日本でリリースされました。
ユーザーは15秒から最大10分の動画を作成・編集することができ、さまざまなフィルターや音楽を利用して独自のコンテンツを制作できます。
TikTokの最大の特徴は、「おすすめ」機能です。
この機能により、ユーザーはフォローしていないクリエイターの動画も表示されるため、フォロワーが少なくても多くの人にリーチする可能性があります。
これにより、フォロワーが多いアカウントではないとしても、投稿したコンテンツがバズることも珍しくありません。
また、TikTokは特に10代から20代の若者に人気があり、彼らのトレンドや文化を反映したコンテンツが多く見られます。ユーザー同士のコミュニケーションも活発で、コメントやいいねを通じて相互作用が促進されます。
さらに、近年では企業もこのプラットフォームを利用してマーケティング活動を行うケースが増えており、特にUGC(ユーザー生成コンテンツ)が生まれやすい環境が整っています。
TikTokのビジネスアカウントとは?
TikTokのユーザーアカウントには、2つの種類があります。
一般ユーザーが投稿や視聴を楽しむ目的で使う「個人アカウント」と、TikTokでマーケティング活動を行うユーザーに適した「ビジネスアカウント」です。
ビジネスアカウントは、稿した動画の分析データを得る投ことができ、「投稿して終わり」ではなく、データを根拠にマーケティング戦略を立てていく心強い味方となるでしょう。
TikTokのビジネスアカウントは、無料で開設できます。
広告出稿などの追加機能を利用する場合には別途費用がかかることがありますが、基本的なアカウントの利用自体には料金は発生しません。
また、ビジネスアカウントは企業だけでなく、個人事業主やこれからビジネスを始めようと考えている人も利用することが可能です。
個人アカウントからの切り替えもできますので、「既存のアカウントをビジネス用に使いたい」というニーズにも応えられます。
TikTokビジネスアカウントを利用する4つのメリット
それでは、TikTokのビジネスアカウントではどんなことができるのでしょうか。
個人アカウントとの違いも踏まえて、ビジネスアカウントの4つのメリットを説明いたします。
1. アカウントカテゴリーを選択できる
ビジネスアカウントでは、あなたの事業に最適なカテゴリーを選択できます。
- 芸術・工芸
- 衣類・アクセサリー
- グルメ&ドリンク
- ショッピング・小売
- レストラン・バー
- ゲーム
- 健康
- ペット
など、多様なカテゴリーが用意されています。
カテゴリーを設定することで、あなたの投稿が、そのカテゴリーに興味のあるユーザーにおすすめ表示されやすくなります。
カテゴリーと投稿内容がマッチしていれば、ユーザーからのコンテンツへの評価が高まり、再生回数やフォロワー数を伸ばすきっかけとなるでしょう。
逆に、カテゴリーと投稿内容に乖離がある場合、おすすめ表示されたユーザーは視聴し続けてくれません。
例えば、ティックトックでかわいらしい動物の投稿をよく見ているユーザーに投資情報を発信する動画がおすすめされても、ユーザーが満足して動画を視聴する可能性は高くないでしょう。
つまり、アカウントカテゴリーを正しく選択することで、ターゲット層に効果的にリーチできる可能性が高まるのです。
これは個人アカウントにはない、ビジネスアカウントならではの機能です。
2.プロフィールに外部リンクを設置できる
ビジネスアカウントでは、プロフィール画面に外部リンクを追加できます。
TikTok動画を見て興味を持ったユーザーがすぐ詳細情報にアクセスでき、ビジネスチャンスが広がります。
公式WEBサイトや問い合わせフォーム、オンラインショップへのリンクなど、事業内容に合わせて活用しましょう。
3.投稿動画を詳細に分析できる
ビジネスアカウントでは、以下のような項目で、各投稿の詳細なパフォーマンスデータを確認できます。
- 合計再生時間
- 視聴回数(合計と平均)
- トラフィックソースの種類
- 視聴者の国別所在地
リアルタイムで各動画の反応を把握でき、どんな投稿が最も効果を発揮するかを具体的に分析できます。
データに基づいて今後の投稿戦略を立てられるため、TikTokをビジネスに活用したい方はぜひチェックしていただきたい機能です。
4.インサイト分析ができる
フォロワー数の増減やプロフィールの閲覧回数、曜日・時間帯ごとの動画再生回数など、アカウント全体のパフォーマンスを詳しく分析できることも特徴です。
自分のフォロワーが一番アクティブな時間帯を把握することで、最も視聴されやすい時間帯を狙って投稿ができ、より多くのユーザーの目に留まりやすくなります。
TikTokのビジネスアカウントを利用する、ただ一つのデメリット
ビジネスアカウントを利用するメリットについて詳しく解説してきましたが、一つだけ気をつけていただきたいことがあります。
商用ライセンスのない音楽を、投稿に使用できない
TikTokのビジネスアカウントでは、企業向けライセンスを持つ楽曲のみ使用できます。
人気の投稿や最新トレンドで使用されている音楽を選ぼうとすると、「この音源は商業ライセンスが付与されていません」というメッセージが表示されることがあります。
その場合、その音楽を使った動画投稿ができなくなってしまいます。
流行の音楽を使えないことは、確かにマイナスポイントと言えるでしょう。
ビジネスアカウントならではのメリットも
ただし、別の視点から見ると、ビジネスアカウントで選択できる音源は全て商業利用が認められています。
音楽を使用するたびに許可を得る手続きは不要です。
TikTokでは50万曲を超える商業利用可能な音源が用意されています。
その中から投稿内容に適切な音楽を選んで、投稿を作成していきましょう。
TikTokビジネスアカウントの設定方法
TikTokビジネスアカウントは、とても簡単に作成できますよ。下記の説明と画像を参照しながら進めてみてください。
- TikTokをインストールし、アカウントを登録する
- プロフィールを開き、右上の三本線をタップする
- 「設定とプライバシー」を開き、「アカウント」をタップする
- 「ビジネスアカウントに切り替える」をタップする
- カテゴリーを設定する
参照:【公式】TikTokの個人アカウントとビジネスアカウント
ビジネスアカウントをやめる(個人アカウントに戻す)手順
TikTokのビジネスアカウントを、個人アカウントに戻す際も、手順は簡単です。
TikTokのビジネスアカウントを個人用に戻す手順は、以下のとおりです。
- アプリを開き、右上のメニューをタップする
- 「設定とプライバシー」を選ぶ
- 「アカウント」を選択する
- 「個人アカウントに切り替える」をタップする
- 画面の指示に従って変更を完了させる
個人アカウントに戻す時の注意点
ビジネスアカウントから個人アカウントへの切り替えに伴い、以下のような変更が生じます。
ビジネスアカウント向け機能の利用停止
ビジネスアカウント特有の機能であった分析ツールが使えなくなるほか、広告機能が利用できなくなります。
コンテンツの制限
ビジネスアカウントで投稿した動画は見られなくなってしまいます。
また、インフルエンサーマーケティング機能が使えなくなることも変更点の一つです。
さらに、アカウント名を変える必要があります。
個人アカウントへ変更する前の確認事項
分析データや広告情報などを保存し、必要なデータのバックアップをとっておきましょう。
また、機能に制限が生じる分、ビジネスアカウントと同じ運用は難しくなると言えます。個人アカウントとしての活用方法を事前に考えておくと安心ですね。
そして、インフルエンサーや顧客など、影響を受ける人々には必ず事前連絡を行うことが大切です。
アカウント種類の変更は簡単ですが、ビジネスアカウントとして活用している方ほど、影響範囲が広いと言えます。
慎重に準備を進め、関係者への連絡を忘れずに行いましょう。
TikTokビジネスアカウントで収益化に成功している事例3選
TikTokでビジネスアカウントを活用し、成功を収めている3つの事例をご紹介します。
様々な業界のアカウントをピックアップしましたので、参考にしてみてください。
1. ANA (全日本空輸)
@ana_allnipponairways 秋の旅の行き先はお決まりですか?🍂⛄️✈️🎵 @ginjiro👉👈 ✖️そらっち☁️💙 #ana #allnipponairways #そらっち #旅行 #旅 #soracchi #empire #RAYS #SnowMan #スノ担 #5大ドーム #ドームツアー #ライブ #グラハン #グランドハンドリングスタッフ ♬ EMPIRE(1サビver.) – Snow Man
ANAのTikTokアカウントでは、空港の裏側や社員の日常など、普段見られない情報を提供しています。
トレンドに敏感でお洒落な企業イメージを構築できているでしょう。
社員が撮影・出演・編集を担当していることもポイント。
内製化しているからこその様々なロケーションでの撮影と、親近感のある雰囲気の動画が特徴です。
2.キムチの家@佐渡ヶ島
@kimuti.house.jp.ne.co @みかんに返信 @バヤシ🥑Bayashi さんからもらったナスで作りました! #bayashi #キムチ#キムチの家#tiktokfestival ♬ Big band, swing pop track ♪(1021109) – Ninja_Muzik_Tokyo
キムチの家が販売するキムチは韓国釜山出身の母が作る本場の味が特徴。佐渡島内のスーパーや通販のみで販売されています。
投稿した動画のコメント欄に寄せられた返信をきっかけに動画を制作することが多いとのこと。
視聴者とのコミュニケーションも活発に行われ、企業にとってもユーザーにとってもWin-Winの運営手法と言えます。ぜひ参考にしたいですね。
TikTok開始からわずか2ヶ月で従来の売上の40倍以上を達成し、全国から通販サイトの注文が殺到する「TikTok売れ」を実現しています。
3.焼鳥どん日垣兄弟
@higakiyakitori お問い合わせはプロフから@神出鬼没のさきっぽ @東京挫折組(かえってきた) #シフト #バイト #居酒屋 #あるある ♬ オリジナル楽曲 – 焼鳥どん日垣兄弟
都内3店舗を展開する焼き鳥チェーン店のオーナーが運営しているアカウント。
店舗スタッフが動画に出演し、「飲食店あるある」をメインテーマにした動画を投稿しています。
飲食店や居酒屋の日常を題材にすることで、ユーザーの共感を呼んだことが、幅広い層に訴求した理由と言えるでしょう。
コロナ禍で休業を余儀なくされた時期に、営業再開時の宣伝強化を目的にTikTok運用を開始したとのこと。
結果的に全国的な知名度を獲得し、「動画出演者に会いたい」という来店動機を創出しています。月曜日から行列ができる人気店に成長しました。
TikTokを通じて店舗の魅力を効果的に発信し、実際の集客増加につなげた好例といえるでしょう。
まとめ
TikTokビジネスアカウントは、マーケティング活動を加速させるための強力なツールです。
無料で開設でき、アカウントカテゴリーの選択、外部リンクの設置、詳細な投稿分析、インサイト機能など、ビジネス向けの特徴的な機能を備えています。
唯一のデメリットは商用ライセンスのない音楽が使用できない点ですが、50万曲以上の商用利用可能な音源が用意されています。
ご紹介した成功事例からは、店舗/企業ならではの魅力発信が重要だと分かります。
ユーザーとの積極的なコミュニケーションや、独自のコンテンツ制作などによって、貴社の魅力をわかりやすく発信していきましょう。