全日本食品が自社専用AI「全ちゃんAI」でこう変わった — 利用者12名→175名・議事録作成時間75%短縮
全日本食品とは — 全国1,600店舗を束ねる食品ボランタリーチェーン
全日本食品株式会社は、全国約1,600店舗の加盟店を持つ食品ボランタリーチェーン本部です。一般食品、生鮮食品、酒類などの商品供給と経営指導を手がけ、社員は約300名。地域の食品スーパーを支える中核的存在です。
導入の背景と課題
本部社員1人が平均5店舗以上を担当する体制では、各店舗との会議後の議事録や報告書の作成が日常的なボトルネックになっていました。汎用的なAIツールでは業務にフィットしづらく、セキュリティ面の懸念から経営層の承認も得にくい状況でした。
導入したAIと展開プロセス
ジャイロ総合コンサルティングが提供する中小企業専用AIツール「Ai助」をベースに、全日本食品の業務に合わせてカスタマイズした自社専用AI「全ちゃんAI」を共同開発しました。ChatGPT・Gemini・Claude Codeなど複数のAIモデルを業務ごとに使い分けられる「Mix機能」を搭載し、利用ログの管理により安全性を担保しています。
展開は4段階で進めました。まず各部署の部長クラス12名による「生成AI検討会」を設置。次に社長・支社長・管理職へ拡大し、会議で「AIを活用した」と発言が出る土壌をつくりました。毎月の定例会議で活用状況を確認しながら機能改修を続け、全社へ広げています。
「管理ができることで安全性が担保でき、経営層の納得が得られやすくなり、『みんな使っていいよ』と言える武器になりました」
全日本食品 ご担当者(出典:ジャイロ総合コンサルティング株式会社 PR TIMES プレスリリース 2026年9月25日)
成果(数字)
・利用者数:導入当初の12名から175名へ拡大(約300名の社員の半数以上)
・議事録作成時間:約1時間→約15分に短縮(75%短縮は単純計算ベース)
・AIリテラシー教育:民間資格「生成AIパスポート」の受験を任意で呼びかけ、約9割の社員が受験
・現場発の業務改善:プログラミング知識のない社員が「全ちゃんAI」で見積書・注文書の自動作成ツールを開発し、社内で運用中
中小企業が取り入れるなら — 3つの応用ポイント
全国1,400店舗規模でなくても、この取り組みは自社に置き換えられます。3つの軸で整理します。
まず展開パターンの読み替えです。社員10〜30名規模なら「経営者+部門長3〜5名」の検討会を起点に、2ヶ月程度で全社展開が現実的です。全日本食品の4段階展開を「うちの規模ならどう圧縮するか」という視点で読むと応用のイメージが湧きます。
次に自社専用AIのコスト感です。全日本食品はジャイロの「Ai助」をベースにカスタマイズしていますが、中小企業がゼロから専用AIを構築する必要はありません。既存のAIツールに「社内業務向けのプロンプトテンプレート集」を整備するだけでも、同等の定着効果は出せます。
3つ目は「約9割受験」の仕掛けの翻訳です。任意呼びかけで9割が動いた背景は「管理職が先に使う姿を見せた」ことにあります。資格受験でなくても、月1回の社内勉強会で同じメカニズムは再現できます。
