Hakuhodo DY ONE が生成AI全社展開で変わった — 社員1,500名活用・分析業務を最大4日から約15分へ
導入企業概要
株式会社Hakuhodo DY ONE(本社:東京都港区赤坂)は、デジタルマーケティング全般の企画・コンサルティング・代行事業を手がける企業。社員数は3,290名(2026年4月1日時点)。博報堂DYグループの100%出資子会社として、2024年4月1日に設立された。
導入の背景と課題
生成AIの業務活用が「実証実験」から「全社実装」へと移行する局面で、同社が直面した課題は大きく4点あった。セキュアな基盤の構築、適切な権限管理、社内への利活用の定着、そして「ツールを入れても現場に使われない」という導入後の空洞化だ。
3,000名超の組織でAIを根付かせるには、個人が各自で生成AIを使う段階から、組織全体でAIアプリを共有・再利用できる段階へとステップアップする必要があった。この構造は規模を問わず共通する。従業員20名の中小企業でも「ChatGPTを入れたが誰も使っていない」という状況はまったく同じメカニズムで起きる。「環境構築」と「個人活用」だけでは組織には定着しない。組織全体で再利用できる「資産」に変える仕組みが求められていた。
導入したAI / プロセス
採用したのは、生成AIアプリ開発プラットフォーム「Dify」(株式会社LangGenius提供)だ。最大の特長は、エンジニアでなくとも現場の担当者が自分でAIアプリを構築できるノーコード設計にある。「この業務を自動化したい」というアイデアを持つ人が、プログラムの知識なしにAIアプリとして形にできる点が、個人活用から組織活用へ移行するうえでの核心だ。
同社はDifyのサービスパートナーとして、ライセンス販売だけでなく導入・活用支援も一手に担う体制を整えた。セキュリティ面ではSSO(シングルサインオン)・RBAC(役割ベースのアクセス制御)・監査ログに対応しており、大規模組織が求めるガバナンス要件を満たす。環境構築から社内定着まで、ワンストップで完結できる点が他ツールとの大きな違いだ。
なお、同社が独自開発した顧客分析ツール「0次AI仮説」もDify基盤の上に構築されている。ここで注目すべきは「1,000個以上のアプリが生まれ、そのうち100個超が全社公開アプリとして昇格している」という構造だ。上から配布されたツールではなく、現場の担当者が「自分の業務に必要だから」と作ったアプリが、審査を経て組織全体の共有資産になっていく。「使われない」のではなく「使う人が作ったから使われる」という好循環がここにある。
「生成AIアプリ開発プラットフォーム『Dify』のサービスパートナーとして、ライセンス販売および導入・活用支援を開始」
── 株式会社Hakuhodo DY ONE(出典:プレスリリース 2026年8月18日)
成果(数字)
規模は異なっても、「現場の人間が使いたいアプリを自作し、全社の資産に育てる」という仕組みの設計思想は、5名の会社でも応用できる。まず「自分の仕事で一番時間を食っている繰り返し業務」を1つ選んでAIアプリ化することから始めれば、同じ構造が成立する。
出典: 株式会社Hakuhodo DY ONE「生成AIアプリ開発プラットフォーム『Dify』のサービスパートナーとして、ライセンス販売および導入・活用支援を開始」(2026年8月18日)
