アップル引越センターがAIで配車計画を自動化 — 作成時間1時間30分→数十秒に短縮
導入企業概要
株式会社アップル(屋号:アップル引越センター)は、2006年設立の引越し・リサイクル事業会社(東京都中央区)。長距離引越しを中心に全国規模の輸送ネットワークを持つ。AIシステムの開発パートナーはDataPrism Technologies株式会社(東京都文京区、2024年6月設立)。
導入の背景と課題
アップル引越センターでは、複数の長距離便をまとめて輸送する「グルーピング」で効率化を図ってきた。ただし計画作成はすべて人手頼りで、1回あたり1時間30分程度を要していた。繁忙期には案件数が急増し、手作業での最適な組み合わせ探索はさらに困難になる。引越し日変更やキャンセルのたびに計画を一から組み直す必要があり、担当者の負荷は慢性的に高い状態だった。
導入したAI / プロセス
DataPrism Technologiesが開発したAIシステムは、数理最適化手法(組合せ最適化)を応用している。車両の積載容量やエリア間の折り返し時間といった実運用上の制約を自動で考慮し、運行数を最小化する計画を瞬時に算出する。従来は担当者が試行錯誤していた「最適な組み合わせ探索」を機械が代替する。
計画に変更が生じた際も、条件を再入力するだけでシステムが即座に再計算する。プレスリリースでは導入前の状況について以下のように記されている。
「条件が変わっても部分的な手直しにとどめざるを得ず、輸送効率向上の余地が残存していた」
出典:DataPrism Technologies株式会社(PR TIMES プレスリリース 2026年9月1日)
成果(数字)
2025年の実案件データによる評価では、以下の成果が確認された。
・配車計画作成時間:1時間30分程度 → 数十秒に短縮
・繁忙期の作成時間:約20分程度に短縮
・平均積載率:5ポイント向上
・空車運行・総運行数:いずれも削減(積載率向上との相乗効果)
物流・フィールドサービス業の企業が注目すべきポイント
配車計画の属人化は引越し業に限らない。ルート配送・訪問営業・設備メンテナンスなど、担当者の経験に頼って組み合わせを決めてきた業種は、同じ構造の課題を抱えている。
数理最適化は「組合せ爆発を解く」技術だ。車両3台と訪問先20件でも、手作業での全パターン確認は現実的に不可能であり、ベテランの勘頼りになりやすい。自社の制約条件(車両サイズ・稼働時間・エリアルール等)を言語化できていれば、AI化の検討は業種・規模を問わず始められる。
出典: DataPrism Technologies「DataPrism Technologies、アップル引越センターの長距離配車計画を自動作成するAIシステムを開発。空車運行を削減」(2026年9月1日)
