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企業事例

社員110名の建設会社が半年でAIツール8本を内製 — 外注ゼロで日報から積算まで全社運用

この記事の監修者 株式会社デジタルゴリラ

導入企業概要

ARCFEELGROUP株式会社は、東京都千代田区に本社を置く建設会社だ。建築・土木・設備を手がけ、グループ社員は約110名。2005年4月設立、資本金4,000万円。中小建設会社として現場施工から管理業務まで幅広く対応している。

導入の背景と課題

建設業界では市販の業務システムを導入しても、「会社ごとに流れが違う」ため現場が使わなくなるケースが後を絶たない。同社も既製システムが自社の業務フローに合わず、導入後に形骸化する問題を抱えていた。そこで選んだのが「自分たちの動き方に合わせて、自分たちで作る」という内製路線だった。

導入したAI / プロセス

2026年1月に着手し、開発期間約3ヶ月で8本のAIツールを外注ゼロで内製した。開発したのは建設日報アプリ、経費精算AI、キャッシュフローAI、経営ダッシュボードAI、社内掲示板、工程管理AI、積算AI、顧問専用アプリの8本。日報の記録から工事の積算、経営指標の可視化まで、日常業務の主要な動線をカバーする構成だ。2026年4月から本格運用を開始し、安定運用を経て8月時点で全社展開を達成している。

同社はこの取り組みをもとに、従業員120名以下の建設会社を対象とした「ARCFEEL × AI」というAI導入伴走サービスも展開している。同業の当事者として社長と一対一で12ヶ月かけて伴走する形式で、外部のITベンダーやコンサルティング会社とは異なるアプローチをとる。

「自分たちの動き方に合わせて、自分たちで作る」

── ARCFEELGROUP株式会社(出典:プレスリリース 2026年8月10日)

成果(数字)

  • 打刻・日報記録:累計5,126件(2026年4月本格運用開始〜8月7日時点)
  • 利用状況:58名が日常的に利用(グループ社員約110名中)
  • 開発期間:2026年1月着手〜4月本格運用(開発期間約3ヶ月)、その後安定運用を経て8月時点で全社展開を達成

AI内製化を実現するための3つのポイント

ARCFEELGROUPの事例から、同様の内製化を検討する企業が参考にできる要素を整理する。なお以下は一般的な考察であり、原文プレスリリースの記載を超えた断定はしていない。

1. 「全社員が毎日触る業務」から着手する

同社が最初に内製したのは建設日報アプリだ。日報は現場全員が毎日使う業務であり、定着率を高める起点として機能しやすい。まず日常業務の中で最も接触頻度が高いものから始め、定着の実績を積んでから他の業務へ横展開するというアプローチは、業種を問わず参考になる考え方といえる。

2. 「自社業務フローに合わせて作る」という設計思想

既製システムが建設業に合わない理由を、同社は「会社ごとに流れが違う」という言葉で説明している。この構造的課題は製造業・小売業・サービス業でも共通して見られる。市販ツールをそのまま導入するのではなく、自社の動き方を先に言語化し、その動き方に合わせてツールを作るという逆転の発想が、使われるシステムと使われないシステムの分岐点になりうる。

3. 外注ゼロで内製化を支えた「同業者による伴走」という選択肢

同社は自社での内製化を達成した後、「ARCFEEL × AI」という伴走サービスの提供も開始している。ITの専門家ではなく同じ建設業の当事者がサポートするという設計は、「業務の実態をわかった人間が一緒に作る」ことが内製化の成否に直結するという考え方に基づいている。外注しない内製化を進めるには、業種に精通した伴走者の存在が有効に機能する場合がある。


出典: 社員110名の建設会社が、半年でAIツール8本を内製 日報から積算まで外注ゼロで全社運用(2026年8月10日)

株式会社デジタルゴリラ