運用自動化ツールおすすめ8選!AI活用で業務効率を劇的に改善する選び方と導入事例
2025.12.12
「毎日同じルーチンワークに追われ、本来やるべきコア業務や戦略的な仕事に時間が割けない……」
企業のWeb担当者やバックオフィスの現場では、このような悩みが尽きません。SNSの投稿作業、レポート作成、問い合わせ対応など、一つひとつは単純な作業でも、積み重なれば膨大な時間を奪っていきます。
しかし、現在は「RPA(Robotic Process Automation)」に加え、ChatGPTやGeminiなどの「生成AI」を搭載した運用自動化ツールが続々と登場しています。これらを活用することで、専門的なプログラミング知識がなくても、劇的な業務効率化が可能になりました。
本記事では、SNS運用からバックオフィス業務まで、目的別のおすすめ運用自動化ツール10選をご紹介します。さらに、単なる自動化にとどまらず、AIを組み合わせて業務の質を高める最新の活用事例についても解説していきます。
目次
運用自動化ツールとは?なぜ今「AI連携」が重要なのか

運用自動化ツールとは、人間がPC上で行っている定型業務を、ソフトウェアロボットやAIによって代行・自動化する仕組みのことを指します。これまで手作業で行っていた「入力」「集計」「送信」などの作業を自動化することで、業務プロセスそのものを刷新する力を持っています。
運用自動化ツールの基本定義と種類(RPA・iPaaS・AI)
運用自動化ツールは、大きく分けて以下の3つの種類に分類されます。それぞれの特徴を理解し、自社の課題に合ったものを選ぶことが重要です。
- RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)
あらかじめ決められた手順(ルール)に従って、PC上の操作を自動化するツールです。例えば、「受信したメールに添付された請求書をダウンロードし、特定のフォルダに保存する」といった定型業務が得意です。
(参考:総務省|RPA(働き方改革:業務自動化ウィザード)) - iPaaS(アイパース)
異なるアプリケーション同士をつなぎ、データを連携させるツールです。「Googleフォームに回答があったら、Slackに通知を送り、スプレッドシートに記録する」といったフローを、APIを利用して自動化します。ZapierやMakeが代表的です。 - AI自動化ツール(AIエージェント)
従来の自動化に加え、生成AI(LLM)による「判断」や「生成」を行うツールです。「問い合わせ内容を読み取って適切な返信文を作成する」「記事の構成案から本文を執筆する」など、知的生産活動の一部を自動化できるのが最大の特徴です。
導入することで得られる3つのメリット(コスト・品質・スピード)
運用自動化ツールを導入することで得られるメリットは、単なる「楽ができる」という点だけではありません。経営的な視点で見ると、以下の3つの大きな効果が期待できます。
第一に「コスト削減」です。手作業にかかっていた人件費を大幅に削減できます。例えば、月20時間かかっていた集計作業が自動化されれば、その分のリソースを営業活動や企画立案などの「利益を生む業務」にシフトできます。
第二に「品質の安定(ヒューマンエラーの撲滅)」です。人間は疲労や慣れによってミスを犯しますが、ロボットやプログラムは24時間365日、正確に稼働し続けます。入力ミスや送信漏れといったリスクをゼロに近づけることが可能です。
第三に「スピードの向上」です。システムは人間よりも圧倒的に速く処理を行います。顧客からの問い合わせに即座に一次回答を送る、レポートをリアルタイムで更新するなど、ビジネスのスピード感を高めることが、顧客満足度の向上にもつながります。
従来型と最新型の違いは「AIによる判断」の有無
これまでの自動化(RPA)は、「AならばBをする」という厳格なルールに基づく処理しかできませんでした。そのため、例外的な処理が発生したり、判断が必要な曖昧な業務には対応できないという課題がありました。
しかし、最新の運用自動化は「生成AI」との連携が前提となっています。AIが文章の意味を理解し、画像の内容を認識し、状況に応じた判断を下すことが可能です。
例えば、SNS運用において「好意的なコメントには感謝の返信をし、クレームには担当者へ通知する」といった振り分けも、AIなら文脈を読んで自動で行えます。このように、「作業の自動化」から「判断の自動化」へと進化している点こそが、今AI連携をおすすめする最大の理由です。
【目的別】失敗しない運用自動化ツールの選び方

市場には数多くのツールが溢れており、「どれを選べばいいかわからない」という声も多く聞かれます。導入に失敗しないためには、以下の3つのポイントを基準に選定を進めましょう。
自動化したい業務領域を明確にする(マーケティング vs バックオフィス)
まず、自社が自動化したい業務が「攻めの業務(マーケティング)」なのか、「守りの業務(バックオフィス)」なのかを明確にしましょう。
SNS運用や広告配信、リード獲得といったマーケティング領域では、コンテンツ生成機能や分析機能が充実したツール(SocialDogやHubSpotなど)が適しています。一方、経理処理や労務管理、在庫管理といったバックオフィス領域では、正確性とセキュリティに優れたRPAツール(WinActorやPower Automateなど)が推奨されます。
「何でもできるツール」を探すのではなく、「特定の課題を解決してくれる特化型ツール」を選ぶか、それらを繋ぐiPaaSを選ぶのが成功の近道です。
プログラミング知識の有無(ノーコードツールの推奨)
中小企業や現場の担当者が導入する場合、「ノーコード(No-Code)」または「ローコード(Low-Code)」であることは必須条件と言えます。
プログラミングの知識が必要なツールは、導入時の構築だけでなく、運用開始後の微調整やトラブル対応のたびにエンジニアの手を借りる必要が出てきます。これでは、スピード感を失われ、かえってコストがかさんでしまいます。
ドラッグ&ドロップで直感的に操作できるUI(ユーザーインターフェース)を持っているか、日本語のサポートやマニュアルが充実しているかを確認しましょう。無料トライアル期間を利用して、現場の担当者が実際に触ってみることが重要です。
外部連携(API)とAI機能の充実度
これからの運用自動化において最も重要なのが、「拡張性」です。単体で完結するツールではなく、ChatGPTやGoogleスプレッドシート、Slack、Salesforceなど、普段使っている他のツールと連携できるかどうかを確認してください。
特に「API連携」や「Webhook」に対応しているツールであれば、iPaaS(ZapierやMake)を経由して無限の組み合わせが可能になります。また、ツール自体にAI機能が内蔵されているか、あるいはOpenAIのAPIキーを入力してAI機能を呼び出せるかもチェックポイントです。
初期費用が安くても、連携機能が制限されていると、将来的にやりたいことが増えたときに乗り換えが必要になってしまいます。最初から拡張性の高いツールを選んでおくことを強くおすすめします。
【2025年最新】おすすめの運用自動化ツール比較カオスマップ

ここでは、目的別におすすめの運用自動化ツールを厳選してご紹介します。各ツールの主な料金プランも記載しましたので、予算感の参考にしてください。
※料金は執筆時点のものです。最新情報は必ず各公式サイトをご確認ください。
マーケティング・SNS運用自動化におすすめのツール
マーケティング担当者の時間を奪うSNS投稿やクリエイティブ制作を支援するツールです。
SocialDog(ソーシャルドッグ)
X(旧Twitter)運用に特化した国内No.1ツール。予約投稿はもちろん、キーワードモニターやフォロワー分析機能が充実しています。運用のPDCAを回すために必須のツールです。
| プラン名 | 月額料金(税込) | 特徴 |
|---|---|---|
| Lite | 1,480円〜 | 予約投稿・基本的な分析が可能(個人・小規模向け) |
| Pro | 5,980円〜 | 高度な分析・キーワードモニター無制限(本格運用向け) |
| Business | 17,800円〜 | 複数ユーザー管理・CSV出力対応(チーム・代理店向け) |
Canva(キャンバ)
デザイン作成ツールですが、近年はAI機能(Magic Studio)が強化され、画像生成からSNSへの直接投稿予約まで一貫して行えます。「デザイン作成→投稿」の流れを大幅に短縮できます。
| プラン名 | 料金(税込) | 特徴 |
|---|---|---|
| Canva Free | 0円 | テンプレート利用、基本的なデザイン作成 |
| Canva Pro | 月額1,500円 | AI機能フル活用、背景除去、SNS予約投稿、プレミアム素材 |
| Canva Teams | 月額1,800円〜 | チームでの共同編集、ブランド管理機能 |
HubSpot(ハブスポット)
マーケティングオートメーション(MA)の世界的リーダー。メールマーケティング、SNS管理、ブログ作成などを一元管理し、見込み客の育成を自動化します。
| プラン名 | 月額料金(税込) | 特徴 |
|---|---|---|
| Free Tools | 0円 | 基本的なCRM、フォーム作成、Eメール送信 |
| Starter | 2,400円〜 | 広告管理、Eメール自動化、基本レポート(Marketing Hub) |
| Professional | 108,000円〜 | オムニチャネル自動化、高度なレポート、ABテスト |
バックオフィス・事務作業の効率化におすすめのツール
経理、人事、総務などの定型業務をミスなく処理するためのツールです。
Power Automate(パワーオートメート)
Microsoft社が提供する自動化ツール。ExcelやOutlook、TeamsといったOffice製品との相性が抜群で、Windowsユーザーなら追加コストなしで始められる場合もあります(Desktop版)。
| プラン名 | 月額料金(目安) | 特徴 |
|---|---|---|
| Desktop版 | 0円 | Windows 10/11ユーザーなら追加費用なしで利用可能 |
| Premium | 2,250円/ユーザー | クラウドフロー(DPA)、アテンド型RPAの利用 |
| Process | 22,500円/ボット | 組織全体での無人オートメーションの実行 |
SmartHR(スマートHR)
人事・労務手続きを自動化するクラウドソフト。入社手続きや年末調整などのペーパーレス化を実現し、総務部門の負担を激減させます。
| プラン名 | 料金 | 特徴 |
|---|---|---|
| HRストラテジー | 要問い合わせ | 人材管理・配置シミュレーションなどタレントマネジメント機能 |
| 人事・労務 | 要問い合わせ | 入社手続き、年末調整、Web給与明細などの基本機能 |
マネーフォワード クラウド
経理財務から給与計算まで、バックオフィス全般をカバー。銀行口座やクレジットカードと連携し、仕訳入力を自動化することで、経理担当者の作業時間を大幅に削減します。
| プラン名 | 月額料金(税込) | 特徴 |
|---|---|---|
| スモールビジネス | 2,980円〜 | 小規模法人向け。会計・請求書・給与などの基本機能 |
| ビジネス | 4,980円〜 | 複雑な消込処理やバックオフィス全体の効率化に対応 |
異なるアプリ同士を連携する「iPaaS」ツール(Zapier / Make)
特定のアプリだけでなく、複数のアプリをまたいで自動化フローを構築するための「接着剤」となるツールです。ここが「AI×自動化」の肝となります。
Zapier(ザピアー)
世界で最も有名なiPaaSツール。5,000以上のアプリと連携可能で、「Gmailにメールが届いたら→ChatGPTで要約し→Slackに通知する」といったフローをノーコードで作れます。
| プラン名 | 月額料金(目安) | タスク数/月 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| Free | $0 | 100 | シングルステップの自動化のみ(お試し用) |
| Starter | $19.99〜 | 750〜 | 複数ステップ(Multi-step Zaps)の作成が可能 |
| Professional | $49〜 | 2,000〜 | 条件分岐やフィルタリングなど高度な制御が可能 |
Make(メイク・旧Integromat)
Zapierよりも複雑な分岐条件やデータ処理が得意なツールです。ビジュアル的にフローを構築でき、開発者や上級者に人気があります。コストパフォーマンスも高いのが特徴です。
| プラン名 | 月額料金(目安) | タスク数/月 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| Free | $0 | 1,000 | 2シナリオまで作成可能 |
| Core | $9〜 | 10,000 | シナリオ数無制限、実行間隔の短縮 |
| Pro | $16〜 | 10,000 | 全文検索、優先サポート、変数の詳細利用 |
これらのiPaaSツールを使いこなすことで、既存のSaaSツール同士をつなぎ合わせ、自社独自の「完全自動化システム」を構築することが可能になります。しかし、設計には業務フローの深い理解が必要です。「どのツールをどう組み合わせればいいかわからない」という場合は、専門家のアドバイスを受けるのも一つの手です。
「自社に最適なツールがわからない」「iPaaSとAIを組み合わせて業務を完全自動化したい」という方は、
株式会社デジタルゴリラにご相談ください。
貴社の業務フローを分析し、最適なツール選定から導入支援、実際のフロー構築までを一貫してサポートいたします。
【最新事例】AI×運用自動化で劇的な成果を出した企業の成功例
ツールを導入するだけでなく、AIや他のアプリと連携させることで、業務プロセスそのものを変革し、大きな成果を上げた実在企業の事例をご紹介します。
事例1:メール転記作業を「Make × kintone × LINE」で完全自動化し、毎日2時間を削減(株式会社S様の事例)
【課題】 ネットショップを運営する株式会社S様(従業員10名)では、注文受付から納品までを一貫して行っていましたが、メールで届く注文情報を基幹システムへ「転記」する作業に、毎日2〜3時間を費やしていました。手入力によるミスや登録漏れも発生し、顧客対応の遅れが課題となっていました。
【解決策:ノーコードiPaaS「Make」を活用した自動連携】 エンジニア不在の中、ノーコードツール「Make」を中心に、以下の自動化フローを構築しました。
-
顧客からの注文メールを受信すると、自動でMakeに転送。
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Makeがメール本文から「注文者名・商品名・数量・金額」をAI(正規表現)で自動抽出。
-
抽出したデータを業務アプリ「kintone」に自動登録(重複チェックも同時に実行)。
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登録完了後、担当者のグループLINEに即座に通知。
【成果】 この仕組みにより、メール転記にかかっていた時間が**毎日約2時間削減(処理時間92%削減)**されました。手入力ミスもゼロになり、LINEへのリアルタイム通知によって顧客への初動対応もスムーズになるなど、業務品質が劇的に向上しました。
(出典:Easy Wand|【事例】注文処理を自動化!Make × kintone × LINEで毎日2時間の削減に成功)
事例2:請求書発行をメールで完結させ、バックオフィス全体をペーパーレス化(中村様の事例)
【課題】 とある企業でバックオフィス業務を一人で担当していた中村様は、月次決算を行いながら、請求書の「印刷・封入・投函・コピー保存」というアナログな作業に忙殺されていました。また、給与明細も紙で印刷して配布しており、リモートワーク対応への遅れや非効率さが課題でした。
【解決策:マネーフォワード クラウドの複数導入による連携】 「マネーフォワード クラウド会計・給与・経費・勤怠」をまとめて導入し、バックオフィス業務全体をクラウド上で連携・自動化しました。
-
会計ソフトに入力したデータから、請求書をクラウド上で作成・発行。
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印刷や郵送はせず、そのままメールで取引先に送付して完了。
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給与計算の結果も、ワンクリックでWeb給与明細として従業員に配信。
【成果】 請求書発行がメールで完結するようになり、印刷・封入作業が一切不要になりました。給与明細のWeb化も社内に定着し、ペーパーレス化が大きく進展。「1人でやっていたアナログ作業」から解放され、月次決算などのコア業務に集中できる環境が整いました。
運用自動化を成功させるための導入ステップと注意点

ツールを契約しただけでは、自動化は成功しません。現場に定着させ、成果を出すためには正しいステップを踏む必要があります。
まずは「業務の棚卸し」から始める
いきなりツールを導入するのではなく、まずは現在の業務内容をすべて洗い出し、「棚卸し」を行いましょう。
- その業務は本当に必要なのか?(廃止できないか)
- 誰が、どのくらいの頻度で行っているか?
- 手順は標準化されているか?(マニュアルはあるか)
自動化できるのは「ルール化された業務」だけです。属人化している業務や、判断基準が曖昧な業務は、まず標準化することから始める必要があります。このプロセスを経ずにツールを入れると、混乱を招くだけになります。
スモールスタートで「部分最適」から「全体最適」へ
壮大な全社システムをいきなり構築しようとすると、失敗のリスクが高まります。まずは「特定の部署の、特定の作業(例:請求書のPDF保存だけ)」など、小さな範囲からスタートしましょう。
小さな成功体験(クイックウィン)を積み重ねることで、現場の担当者が「自動化は便利だ」「自分たちの仕事を奪うものではなく、助けてくれるものだ」と理解し、協力的になります。その後、徐々に適用範囲を広げ、最終的に会社全体の最適化を目指すのが王道のステップです。
ツール導入だけでは解決しない?「人」と「AI」の役割分担
自動化が進んでも、人の仕事がなくなるわけではありません。むしろ、AIやロボットにはできない「創造的な仕事」や「感情を伴うコミュニケーション」、「最終的な責任ある判断」といった業務に、人間が集中できるようになることこそが目的です。
「AIに任せる領域」と「人が担う領域」を明確に定義し、役割分担を設計することが、これからの組織作りにおいて不可欠です。ツールはあくまで手段であり、それをどう使いこなすかという「設計図(デザイン)」を描く力が求められています。
運用自動化は「ツール選び」より「設計」が9割(まとめ)
本記事では、おすすめの運用自動化ツールや選び方について解説してきました。
テクノロジーの進化により、これまで大企業しか導入できなかった高度な自動化システムが、中小企業でも月額数千円から数万円で利用できるようになりました。特に「生成AI」と「iPaaS」を組み合わせた自動化は、業務効率を数倍、数十倍に引き上げる可能性を秘めています。
しかし、最も重要なのはツールそのものではなく、「自社の業務フローをどう再構築するか」という設計です。
- どの業務を自動化すべきか見極める
- 複数のツールを効果的に連携させる
- 現場が使いこなせるように教育・定着させる
これらを社内だけで完結させるのが難しい場合は、外部の専門パートナーの手を借りることで、最短距離で成果を出すことができます。
自社に最適な自動化フローを構築するために
AI時代において、スピードは最大の武器です。「もう少し様子を見てから」と考えている間に、競合他社は自動化によってコストを下げ、サービス品質を向上させているかもしれません。
まずは無料のツールからでも構いません。今日から「自動化への一歩」を踏み出してみませんか?
株式会社デジタルゴリラ|AI導入・Web運用支援
株式会社デジタルゴリラでは、Webマーケティングの戦略設計から、AIを活用した記事制作、業務自動化システムの構築支援までをワンストップで提供しています。
「ツールを導入したが使いこなせていない」「AIを使って業務時間を半分にしたい」といった課題をお持ちの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。



