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不動産集客にSNSを活用しよう!成功事例、炎上した際の対策も解説

SNSは現在、多くのユーザーが利用しています。
無料での情報発信が可能で高い集客力を持ち、視覚的なPRができるなど、不動産業界でも活用するメリットが数多くあるツールです。

ただし、闇雲にSNSを利用しても、フォロワーや閲覧数が伸び悩んだり、炎上のリスクがあったりするのも事実です。

そこで、集客のためにSNS活用を検討中の不動産会社に向けて、目的に合わせたSNSの選び方や成功事例、注意すべきポイントなどを網羅的にご紹介します。

ぜひ、SNSを戦略的に活用し、安定した集客の実現を目指しましょう。

 

目次

  • 不動産業界での集客にSNSが活用されている背景
  • ターゲットに適したSNSを選ぼう!SNSの特徴・目的別の選び方
    • X(旧Twitter)
    • Instagram
    • TikTok
    • Facebook
    • YouTube
    • LINE
  • 集客につながる不動産会社のSNS活用術
    • 物件を紹介する
    • 自社の情報発信
    • キャンペーンを行う
    • 広告を配信する
    • ユーザーとコミュニケーションをとる
  • 不動産集客でSNSを活用する際の注意点
    • 炎上に注意
    • 不動産広告に注意
    • 集客の受け皿となる自社WEBサイトを整備する
  • まとめ

 

不動産業界での集客にSNSが活用されている背景

不動産業界でSNSが集客に活用されるようになったのには、以下のような背景があります。

  • ユーザーの生活様式が変化し、SNSの利用率が上昇したこと
  • 新型コロナウイルスの影響で非対面営業が増加し、オンラインでの情報発信の重要性が高まったこと
  • 不動産業界の競争が激化し、新たな集客手法が求められるようになったこと
  • SNSでは気軽に問い合わせができ、ユーザーにとって情報が受け取りやすいというメリットがあること

 

昨今のコロナ禍に伴う生活やビジネス様式の変化で、非対面・非接触のコミュニケーションが求められるようになったことが大きな理由と言えるでしょう。

「大きな不動産店舗に入って、いろいろ相談しよう」という対面での住まい探しから、インターネットで物件情報を調べ、問い合わせから資料請求までできるだけオンラインで完結させたい、という流れに変わってきたのです。

 

ここで、ビジュアル面での訴求力が高いSNSでの情報収集や、チャット機能を用いての気軽な顧客とのコミュニケーションが好まれるようになりました。
SNSは今や、不動産業界に欠かせないツールとなりつつあります。

 

 

ターゲットに適したSNSを選ぼう!SNSの特徴・目的別の選び方

SNSはそれぞれ異なる特徴を持っており、主要ユーザーも異なります。
そのため、たくさんのSNSでアカウントを開設して同じように運用すれば良い、というものでもありません。目的に合った使い方によって、多くの集客につながります。

 

SNSの特徴を理解し、自社で取り入れる目的に沿ってSNSを選ぶことが重要です。
ここでは各SNSの特徴やターゲット層などについて、詳しく解説いたします。

SNS

国内月間アクティブユーザー

特徴

LINE 9,200万人|全世代が利用 企業アカウントとユーザーが交流できる。クローズドなSNS。
X 4,500万人|20〜30代が多い。幅広い年代が使用 リポストや引用リポストによる高い拡散性。リアルタイムでの情報拡散に適している。
Instagram 3,300万人|10〜20代で半数を占める ハッシュタグによる検索性の高さ。ビジュアル訴求に適している。
Facebook 2,600万人|30〜40代が多い ビジネスシーンでの活用が中心。
広告配信においては詳細なターゲティングが可能。
TikTok 950万人|10〜20代で半数を占める 短尺動画による強いバズ効果。若年層へのアプローチに有効。

 

 

【顧客とのコミュニケーションを活発化させたい】LINE

顧客とのコミュニケーションを円滑に行いたいという不動産会社には、LINEがおすすめです。
LINEの国内ユーザーは約9,200万人と圧倒的なシェアを誇り、もっとも日常に浸透しているSNSと言えるでしょう。

 

その特徴はメッセージ開封率の高さ
LINEヤフー株式会社が2021年に実施したアンケートによると、約8割の人が、受け取ったメッセージをその日のうちに見ると回答しています。

 

また、顧客管理や、友だち追加したユーザーに対してはセグメントを絞ってのメッセージ配信も可能なため、リストマーケティングにも役立てることができます。

出典:【公式】LINE公式アカウント|LINE for Business

 

 

【広く情報を周知・拡散したい】X(旧Twitter)

リアルタイムで情報を広く周知したい不動産会社は、Xの活用がおすすめです。

Xでは、ツイートと呼ばれる最大140字(無料会員の場合)の短文に「いいね」や「リツイート」がつくことで、多くのユーザーへの情報拡散が可能になります。

 

幅広い年代に使用されるSNSですが、総務省の調査結果では、20代のXの利用率が78.8%と最も高く、リアルタイムでの高い拡散力が期待できるとされています。(※)
1つのツイートに数万件もの「いいね」や「リツイート」がつくことがあり、一度バズることができれば多くのフォロワーを獲得できる可能性を秘めているSNSだと言えるでしょう。

 

さらに高い拡散力によって、ユーザーとリアルタイムでのコミュニケーションや反響を得やすく、お得なキャンペーン情報などの告知にも適していると考えられます。
加えて、ハッシュタグ機能を活用することで、投稿を見てほしいターゲットを絞り込むことができるのも特徴の1つです。

(※)出典:総務省「令和4年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」

 

 

【視覚的に物件を紹介したい】Instagram

物件の写真や動画を活用して集客を図りたい不動産会社には、Instagramでの情報発信がお勧めです。

他のSNSと比較して、写真や動画がメインのツールです。美しい写真や動画に対して「インスタ映え」という言葉も生まれるほど。

 

そのため、Instagramでは洗練された画像や動画が好まれる傾向にあります。世界観や雰囲気を伝えやすい特徴もあり、デザイナーズ物件などの紹介と高相性です。

また、ハッシュタグ機能を利用することで、投稿を見てほしいターゲットを絞り込むこともできます。非常に便利な特徴ですね。

 

 

【ビジネス層へアプローチしたい、安全に運用したい】Facebook

ビジネス層へアプローチしたい、フォーマルにSNSを活用したい不動産会社には、Facebookの運用がおすすめです。

Facebookは、Meta社が運営する実名登録制のSNSとして知られています。
日本国内のFacebookユーザーは30代が多く、ビジネス目的で運用している人が多いことが特徴です。他のSNSと比べてフォーマルな使用が可能といえます。

 

また、プライバシー設定も細かく行えるため、情報の公開範囲を細かく設定することができます。
投稿の公開範囲が狭いことから、炎上のリスクが低いのもFacebookの特徴の1つです。

Facebookをメッセージツールとして利用しているユーザーも多く、特に海外での利用率が高いため、日本国内だけでなく海外とのやり取りにも活用できるでしょう。

 

 

【若年層へ物件を周知したい】TikTok

特に若年層へ、効率的に物件を周知したいニーズがある不動産会社には、TikTokの運用がおすすめです。

TikTokは、数十秒の短い動画に特化したSNSです。ユーザーに次々と動画が表示され、気軽にコンテンツを視聴することができます。

 

総務省の調査結果によると、TikTokは10代の利用率が66.4%と最も高いツールです。(※)
短い動画でテンポよく物件を紹介できるという特性から、学生向けの一人暮らし用物件を多く取り扱う不動産会社におすすめと言えます。

さらに、TikTokには「おすすめ機能」というものがあります。
アカウントをフォローしていないユーザーにも自社の投稿を表示できるため、幅広いユーザー層にアプローチすることが可能です。

 

(※)出典:総務省「令和4年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」

 

 

成功事例を参考に考える、不動産業界でのSNSの活用方法

各SNSの特徴を紹介してまいりましたが、自社ではどのように活用すればいいの?と具体的なイメージが湧かない方も多いのではないでしょうか。

自社でどのように活用すればよいのか悩む方も多いのではないでしょうか。
ここでは、目的別にSNSを活用した具体例をご紹介します。自社の課題に合った運用方法を検討してみましょう。

 

 

物件を紹介する

SNSを活用した物件紹介には、主に2つのアプローチがあります。
①写真で物件のアピールポイントを伝える
②動画でルームツアーを行い、詳細を伝える

不動産選びでは第一印象が重要なため、日当たりの良い広々としたリビングや眺望の良さをトップ画面に表示することで、ユーザーの興味を引き付けることができます。
また、動画でのルームツアーを行えば、写真だけでは伝わりにくい細部まで伝えられるでしょう。

 

より具体的な発信内容を考えるために、参考事例を見てみましょう。

【Instagram】アカウント:グッドルーム【公式】|インテリア・不動産・ライフスタイル(@goodroom__official)
フォロワー数:約11.2万人(2024年6月時点)

グッドルームは、リノベーション物件やデザイナーズ物件などの賃貸物件を専門に取り扱っています。プロフィールページ全体におしゃれな雰囲気が醸成されていますね。

 

明るくきれいな印象の写真に加え、30秒のルームツアー動画で物件の間取りや設備を手軽に把握できるのが特徴です。
さらに、ハッシュタグで地名を入れることで、その地域を特定して物件を探している方にアプローチできます。

 

 

【TikTok】アカウント:ないけんぼーいず(@naikenboys)
フォロワー数:約18.1万人(2024年6月時点)

不動産インフルエンサーが立ち上げた会社、ないけんぼーいずは、「日本一ホワイトな会社です」というコンセプトで発信しています。
若いメンバーを中心とした会社ながら、歯に衣着せぬ物言いが特徴で、現在は18万人以上のフォロワーを集める人気アカウントに成長しました。

 

物件の良い点だけでなく悪い点も率直に伝えるため、視聴者からの信頼感が高いのが特徴です。
コメント欄で「家賃が高い」という指摘があれば、「オーナーに交渉して値下げしました」と対応するなど、視聴者目線に立った発信が成功の秘訣と言えるでしょう。

 

 

自社の情報を発信する

SNSで自社情報の発信に力を入れる企業は、物件紹介よりも自社の取り組みやユーザーに役立つ情報を発信しています。

近年、企業の社会貢献(CSR)が注目され、そうした観点からサービスや企業を選ぶ顧客も増えています。また、自社の取り組みをわかりやすく紹介することで、顧客だけでなく学生や求職者にも好印象を与えられるでしょう。

 

【Facebook】アカウント:三井不動産
フォロワー数:約5.5万人(2024年6月現在)

日本最大手の不動産会社である三井不動産では、自社の施設やテナント、サステナブルな取り組みのほか、企業としての義援活動などを紹介しています。

 

Facebookは長文投稿に適しているため、より多くの情報を届けることができます。
大企業は誤った情報発信の影響が大きいため、正確かつ丁寧でわかりやすい内容が求められます。

 

大企業のSNS運用では、社会とのつながりや貢献をアピールすることも大切だと言えるでしょう。

 

 

顧客とコミュニケーションをとる

SNSは双方向のコミュニケーションを取れるのが特徴です。
やや堅いイメージのある不動産業界ですが、SNSでコミュニケーションを取ることで親しみやすさを感じてもらえます。

 

また、最近はメールよりもSNSでのやり取りが主流です。
メール問合せのみに対応している不動産会社より、SNSにも対応している会社のほうが顧客との接点を増やせる可能性が高いと言えるでしょう。

 

【X】株式会社KIZUNAFACTORY(@inagaki_kizuna)
フォロワー:約1.4万人(2024年6月現在)

西新宿の不動産会社、株式会社KIZUNAFACTORYでは、代表の名前でXアカウントを運用し、不動産情報の発信や部屋探し・売却の相談を行っています。
Xは属人性の高いSNSなので、「相手の顔が見える」ことに安心感が生まれ、企業アカウントよりも代表が情報発信したほうが信頼性・権威性を示せる場合もあります。
企業規模にもよりますが、代表自身が発信することも検討の価値があるかもしれません。

 

企業アカウントとして運用する場合も、対面でお客様とコミュニケーションをとる時と同様に、丁寧で迅速な対応を心がけましょう。

 

 

不動産集客でSNSを活用する際の注意点

SNSを活用するにはメリットも多くありますが、いくつか注意すべき点があります。

 

不適切な投稿による炎上リスクに注意

SNSは集客力や影響力が大きい反面、差別的な発言や個人情報の漏洩があると瞬く間に炎上する可能性があります。
過去には、不動産SNSで芸能人の新居探しの仲介をX(旧Twitter)に投稿したことで炎上した事例もありました。

 

また、人種、性別、年齢などを理由に物件の入居を制限するような投稿は大問題となりかねません。
障がい者や高齢者、外国人などへの差別的な表現は避けましょう。

 

SNSでの炎上を防ぐために、事前に以下の対策を講じる必要があります。

 

従業員向けのソーシャルメディアポリシーを策定する

企業アカウントだけでなく、従業員の個人アカウントからの不適切な投稿も炎上の原因になり得るため、ガイドラインを設けて教育することが必要。

炎上リスクを理解するための研修を実施する

SNSの特性や過去の炎上事例などを学び、リスク認識を高めることが大切。

炎上の火種を早期発見するため、SNSモニタリングを行う

自社や関連キーワードに関する投稿を常にチェックし、不適切な内容を見つけたら迅速に対処する。
万が一炎上した際に備え、対応フローをあらかじめ整理しておく。情報収集や対応チームの設置など、初動対応を速やかに行える体制を整える。

 

企業の信頼を損なわないよう、日頃から十分な備えをしておくことが肝要ですね。

 

不動産広告に注意

不動産広告には「不当景品類及び不当表示防止法」と「宅地建物取引業法」の2つの法律による規制があります。SNS広告も例外ではありません。

 

規制の対象となる代表的な内容は、以下の通りです。

  • 物件情報などの基本情報の表示ミスや間違い
  • 消費者の判断を惑わす二重価格表示
  • 誇大広告
  • 「完璧」「絶対」などの特定用語の使用
  • 取引態様の非表示

上記のような表示は、違反に該当する可能性があります。
不動産会社がSNS運用を検討する際は、不動産広告に関する法律について十分に理解しておきましょう。

 

 

集客の受け皿となる自社WEBサイトを整備する

SNSは顧客との接点を作るためのツールです。
その後のやり取りはSNS上で行われる可能性もありますが、多くの場合、興味を持ったユーザーは自社のWEBサイトを訪れます。

 

しかし、WEBサイトの見栄えが悪かったりコンテンツが不十分だったりすると、問い合わせにつながらない恐れがあります。

 

したがって、SNSマーケティングを実施する前に、集客の受け皿として自社WEBサイトの内容を充実させておくことが重要です。

 

まとめ

最後に、不動産集客におけるSNS活用のポイントをまとめます。

  • SNSを活用する際は、自社で取り扱う物件やターゲットとする層に合ったツールを選ぶことが重要
  • SNSでユーザーの注目を集めるには、更新頻度を維持し炎上リスクにも注意しなければならない
  • ユーザーの目をひくクリエイティブ(投稿画像や動画)の制作、不適切な表現がないかのチェックをするために、注力できる時間とリソースを確保することが必要

不動産集客にSNSの導入を検討されている方は、今回ご紹介したポイントや成功事例を参考に、ぜひ挑戦してみてくださいね。

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