OpenAI 次期モデルAstraが10の数学未解決問題を解決 計算コストはわずか2,000ドル
OpenAIの次期AIモデル「Astra」が、10年以上解決されていなかった数学・理論計算機科学の未解決問題10問を解決した。Lean 4で機械検証済みの証明を249ページの論文とともに公開。全計算コストはAPIレートで約2,000ドルだったという。
Astraが解いた10問の内訳と計算コスト
OpenAIは2026年8月1日、次世代モデル「Astra」の内部版が数学と理論計算機科学において10個の重大な成果を上げたと発表した。対象問題はいずれも「少なくとも10年間、多くの場合それ以上解決されてこなかった」難問だ。
最大の成果は1999年から未解決だった「非ソフィック群の明示的構成」の達成。さらにAlain Connesの剛性予想の反証、Ehrhart体積予想の証明、Paul Erdős問題3件(多色Ramsey数など)の解決も含まれる。研究領域は高次元幾何学・符号理論・量子複雑性・格子暗号など多岐にわたる。
すべての証明はLean 4で機械検証済み。GitHubにApache 2.0ライセンスで公開された249ページの論文には「sorry(未証明ステップ)」がゼロで、全工程が完全に検証されている。10問すべての解決にかかった計算費用は、GPT-5.6 Sol APIレートで約2,000ドルだったとOpenAIは明らかにした。
“Sadly, no Millennium Prize Problems (yet).”
(筆者意訳:「残念ながら、ミレニアム懸賞問題はまだ解けていません。今のところは」)
── Noam Brown(OpenAI リサーチャー)/ SiliconANGLE「OpenAI’s Astra solves 10 long-open math problems」2026年8月2日
「AIが専門家レベルの成果を出す」構造が変えるもの
注目すべきは成果の大きさだけでなく、その検証の仕組みだ。AstraはLean 4形式の機械検証可能な証明を自分で生成しており、解の正しさを人間ではなく数学的な自動検証システムが担保している。
これは数学研究に限った話ではない。品質検証・技術仕様の確認・論拠付きの判断など、専門家が時間をかけて行ってきた「確認作業」をAIが担う構造は、今後の研究・開発・業務改善の現場にも広がっていく流れを示している。Astraはまだ一般公開されていないが、複数メディアの報道によれば今後GPT-6またはGPT-5のバリアントとして提供される見込みだという。
出典: OpenAI「Ten Advances in Mathematics」(2026年8月1日)/ SiliconANGLE「OpenAI’s Astra solves 10 long-open math problems and publishes the proofs」(2026年8月2日)
