Mistral AI Devstral発表 GPT-4.1の4分の1の価格でコーディングAI性能を上回る
Mistral AIは2026年7月10日、エージェント型コーディングAIモデル「Devstral」シリーズの新バージョンを発表した。上位モデル「Devstral Medium」はGPT-4.1やGemini 2.5 Proを上回るコーディング性能を、100万トークンあたり4分の1の価格で提供する。
Devstralシリーズ 2モデルの性能と価格
Devstralシリーズは、All Hands AIとの共同開発による自律型ソフトウェア開発向けAIモデルだ。今回発表されたのは以下の2モデル。
Devstral Small 1.1(24Bパラメータ)は、Apache 2.0ライセンスのオープンソースモデル。SWE-Bench Verifiedで53.6%を記録し、テスト時スケーリングなしのオープンモデルとして最高水準の性能を持つ。100万トークンあたり入力0.1ドル、出力0.3ドルと低価格で利用できる。
Devstral MediumはAPI経由で利用可能な上位モデル。SWE-Bench Verifiedで61.6%を達成し、100万トークンあたり入力0.4ドル、出力2ドルのトークン単価でGPT-4.1やGemini 2.5 Proを超える性能を実現した。企業向けにはオンプレミス展開やカスタムファインチューニングにも対応する。
両モデルとも、異なるプロンプトやエージェントフレームワークへの汎化能力を重視して設計されている点が特徴だ。
“surpassing Gemini 2.5 Pro and GPT 4.1 for a quarter of the price”
(筆者意訳:Gemini 2.5 ProとGPT-4.1を4分の1の価格で上回る)
── Mistral AI 公式ブログ
中小企業にとっての意味
Devstralの登場で注目すべきは、コーディングAIの「価格性能比」が急速に改善している点だ。
Devstral Mediumの100万トークンあたり入力0.4ドル・出力2ドルという価格は、GPT-4.1の同等性能帯と比較して約4分の1にあたる。バグ修正やコードレビューといった定型的な開発タスクをAIに任せる場合、API利用コストが大幅に下がることを意味する。
さらにDevstral Small 1.1はApache 2.0ライセンスのオープンソースだ。自社サーバーやプライベートクラウドに導入すれば、ソースコードを外部に送信せずにAIコーディング支援を利用できる。顧客データや社内システムのコードを扱う企業にとって、セキュリティ面での選択肢が広がる。
ただし、SWE-Bench Verifiedのスコアはあくまでベンチマーク上の数値であり、自社の開発環境やコードベースで同等の成果が出るとは限らない。導入を検討する場合は、まず定型的なコード修正やテスト生成など影響範囲の小さいタスクから試し、費用対効果を検証することが現実的な進め方になる。
出典: Mistral AI「Upgrading agentic coding capabilities with the new Devstral models」(2026-07-10)
