Google DeepMind Gemini Robotics 2発表 ロボットの全身を単一AIモデルで制御・Boston Dynamics等と連携
Google DeepMindは2026年7月30日、ロボット向けAIモデル「Gemini Robotics 2」を発表しました。脚・胴体・腕・5本指の手まで、ロボットの全身を1つのAIポリシーで制御できる点が特徴です。Apptronik(ヒューマノイドロボットメーカー)・Boston Dynamics(四足・二足歩行ロボットメーカー)・Agile Robots(産業用ロボットメーカー)など複数のロボティクス企業との連携も同時に公表されています。
発表の概要
Gemini Robotics 2は3つのモデルで構成されます。視覚・言語・行動を統合するVLAモデルがロボットの全身動作を直接制御し、推論特化のER 2モデルが複数ステップのタスク計画と複数ロボットの協調作業を担います。さらにオンデバイスモデルはネットワーク接続なしで動作し、200件未満の学習データで新しいロボットに適応できます。
前バージョン(Gemini Robotics 1.5)はテーブル上の操作が中心でしたが、今回は歩行・しゃがみ・物の持ち上げなど全身の協調動作に対応しました。デモでは電球の取り付け(成功率92%)やゴミ袋の結束といった繊細な作業が公開されています。
安全面では、危険な指示を拒否する能力を測る新しいベンチマーク「ASIMOV-Agentic」を導入しました。人の接近を検知して安全に停止する機能も搭載されています。
Carolina Parada(Google DeepMind ロボティクス責任者)は「安全性の問題はより切迫しています。ロボットをはるかに多くの状況に置くことになるからです」とコメントしています。
中小企業が押さえておくべきポイント
今回の発表で注目すべきは、ロボットが「人間の代わりにできる動作の範囲」が大きく広がった点です。
200件未満のデータで新しいロボットに適応できるということは、自社工場の特殊な作業環境にもカスタマイズできる可能性が出てきたことを意味します。従来のロボット導入は数万件の学習データが必要で、中小規模の現場では導入ハードルが高い状況でした。
全身協調制御が1つのAIで完結することで、歩いて移動し、しゃがんで作業し、物を持ち上げるといった一連の動作をロボットが担えるようになります。電球取り付けの成功率92%が示すとおり、高所作業のような危険を伴う作業もロボットの対応範囲に入りつつあります。
ただし、現時点ではまだ研究段階です。商用化の時期は明示されておらず、デモ環境と実際の現場には大きな差があります。製造・物流・建設の現場で人手不足に直面している企業は、今すぐ導入を検討する段階ではないものの、技術動向を把握しておくことで将来の設備投資判断に備えることができます。
出典: Google DeepMind「Gemini Robotics 2 brings whole body intelligence to robots」(2026-07-30)
